平成9年度自治省重点施策について

植田浩(自治大臣官房企画室課長補佐)

 

自治省においては、去る8月28日、平成9年度地方行財政重点施策を発表した。この重点施策は、平成9年度において自治省が推進しようとする施策のうち特に重点を置くものについて、その基本的考え方を明らかにしたものであり、今後の地方財政計画の策定等に当たって、その内容を反映させていくものである。
本稿においては、この重点施策の個別の施策の内容等について解説することとしたい。

 

1. 地方分権の推進と地方行財政体制の整備
(1)地方分権の推進
地方分権の推進については、平成7年5月に地方分権推進法が成立し、同法に基づく地方分権推進委員会が同年7月3日発足、平成8年3月29日には同委員会から中問報告が提出されたところである。同委員会では平成8年未にも具体的な指針の勧告を行う予定であり、自治省としても、勧告を受けて作成されることとなる地方分権推進計画を踏まえ、地方公共団体が期待する地方分権が推進されるよう努力していくこととしている。
(2)新しい地方行革の積極的な推進
社会経済情勢の変化に対応した来るべき地方分権の時代にふさわしい簡素で効率的な行政システムを構築する等のため、平成6年10月に通知した「地方公共団体における行政改革推進のための指針」に沿って、地方公共団体が新たな行政改革大網を策定し、住民の理解と協力の下、自主的・計画的に行政改革を推進するよう、情報提供・指導等を行うこととしている。
(3)地方分権の推進に応じた行政制度の充実
地方分権の推進に当たっては、その行政体制の整備が重要な論点のひとつである。このため、自主的な市町村合併の促進や広域行政の具体化を積極的に図るとともに、小規模町村の補完・支援の体制についての検討や監査委員制度の充実強化等に努めていくこととしている。
(4)地方分権の推進に応じた地方税財源の充実確保
先般の税制改革において、地方分権を推進し、地方税源の充実を図るため、地方消費税を導入することとされたが、今後とも、地方分権推進委員会からの具体的な指針の勧告を受けて作成する地方分権推進計画や税制調査会の議論を踏まえ、税源の普遍性の確保に配慮しつつ、地方税の充実強化を図るとともに、地方交付税の所要額の確保と財政調整機能の充実等により、地方税財政基盤の強化を図ることとしている。
(5)地方分権を担う人づくり
地方分権の進展、地方公共団体の役割の増大に伴い、地方行政の担い手となる地方公共団体職員の人材育成・確保が重要な課題となっており、このために必要な施策を積極的に実施していくこととしている。
(6)公務員行政の充実
地方公務員法制定50周年を目前にして、地方分権の時代の担い手となる地方公共団体に優秀な人材を確保し、能率的な行政運営を推進していくために、現行地方公務員制度を総点検し、社会経済情勢の変化に対応した地方公務員制度のあり方について検討することとしている。

 

2. 豊かで安心できる地域社会づくり
(1)災害に強い安全なまちづくり
阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、地域の防災機能を高める事業の積極的な推進等を図るとともに、防災まちづくりのノウハウを集約した指針の作成等により、これらの事業展開を総合的に支援する必要がある。このため、防災まちづくり指針(仮称)の作成を行うとともに、公園・緑地等公共空間、進路・街路等の整備、公共施設・ライフライン等の耐震性の強化、消防防災施設等の整備等の施策を行うこととしている。
また、消防庁・地方公共団体の防災体制の強化及び緊急消防援助隊の充実等広域的な応援態勢の強化の推進を行うとともに、民間団体等との連携による多様な防災ネットワークの形成等を図ることとしている。
(2)自主的・主体的な地域づくリ
昭和63年度から平成元年度にかけて実施した「自ら考え自ら行う地域づくり」事業を契機に盛り上がった地域づくりの機運は、その後も着実な発展を見せているが、今後も引き続き「ふるさとづくり事業」を推進し、地方公共団体がふるさとづくり事業の原点に立ち返りつつ、広く住民参加のもとに、着実かつ効果的な

 

 

 

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